この1年、個人的にハードで、ちょっと大きな病気なんかもしちゃったりして、「とにかく本は楽しく」というモードです。
重めの本、“ためになる”本は、ちょっと身体が受け付けないというか……。入院中のベッドとか、病院の待合室では、濃厚な本なんて、ホント向かない。
ということで、ライトノベルやハッピーエンドが約束されているハーレクインロマンスなんかを、バカみたいに読んでいます。
こういうジャンルを馬鹿にする人もいるかもしれませんが、玉石混淆でしてね。あるんですよ、読んでて止まらないやつ、2度読みしたくなるような本も。
それになにより、売れているラノベって、間違いなくエンタメとして面白い。楽しいジャンルの一つって訳ですね。
さて、そんなこんなで、ちょっとベタなヒット作も紹介してみましょうかね。
ちょうど本日は「重陽の節句」だし、あやかしが舞台のライトノベルを選んでみました。
いわゆる「わた婚」……『わたしの幸せな結婚』です。
いや、ホント、ベタなんですよ。意地悪な異母妹がいて、家族に虐げられる“さえない長女”設定。
で、冷たい貴公子に溺愛されるっていう……。
ありがちだし、似たような話がたくさんある(web上で)けど、この本は、意外と設定がハードで、しっかり世界観がある。
それが「あやかし」です。…ホラーじゃないですよ。
舞台は大正時代。異能者がいて、鬼とか異形のものがいます。
あやかしっていうのが、私は個人的にそそられるのです。そして、もちろん、ヒーローは突き抜けて強い。
弱そうだったヒロインも、どんどん強くなっていく……。
まぁ、いわゆるシンデレラ・ストーリーというわけではなくて、自分がしっかり立とうとしていくところは微笑ましい。そして、危機の連続で、読んでいると次が気になって仕方がない。
という感じで、はまってしまうわけですね。
タイトルどおり、恋愛がメインと言えるのかな? でも、私も含め読者は、恋愛模様が目的で読む人は少ないのでは? まぁ、貴公子はかっこいいけどさ。
だって、ハッピーエンドがお約束のような展開が最初から続くんですから。タイトルも「わたしの幸せな結婚」ですからね!
……このタイトルで、バッドエンドだったりしたら、なかなかなものかもしれませんが、私はそういう“びっくり”展開をあまり求めないタイプです。
とにかく、この本は、倒叙ミステリー(最初に犯人が登場するタイプ)というか、様々な困難を、「どうやって乗り越えていくか」が気になってしょうがないタイプの物語です。加えて、いろんな謎が提示されていて、その伏線を回収していきます。
そういう意味では、男性も意外と楽しめるのではないでしょうか?(タイトルや表紙を見ると、手に取りにくいでしょうが)
この本が、ありとあらゆるファンタジーのジャンル、あるいは「あやかし」のジャンルでトップクラスか……と聞かれると、言葉に詰まってしまうのですが、「読んでいて損はない」「ラノベとしてはトップクラス」「とっても楽しく、あっという間に読める」とは言いたいと思います。
それに、読書は苦手っていう人(特に女性なら)には、「こういう本から勧めては?」と思う一冊です。
→富士見L文庫『』全8巻(連載中?)